MENU

土曜日の音がしない部屋で

週末の静寂は、平日よりも深い

土曜の昼間、カーテンは開けていない。
外が明るいことは分かる。でも、光を入れる気にはならなかった。
薄暗い部屋に、スマホの光だけが浮かんでいる。

平日も誰とも会わないけど、週末の孤独は質が違う。
「本当は誰かと過ごしてるべきなんじゃないか?」という感覚が、
無音の空気の中で、じわじわと広がってくる。


飽きるほど、誰とも喋っていない

冷蔵庫には昨日買ったカップ麺とアイスだけ。
それでも買い出しに行く気はしない。
腹が減っているのかも、わからない。

音がないのがつらくて、テレビをつけてみた。
芸人たちが騒いでる番組が流れた。
でも、その“明るさ”があまりにも遠くて、
リモコンに手を伸ばして、すぐに消した。


SNSは騒がしいけど、こっちは静かすぎる

タイムラインは、いつもと同じで、
誰かがラーメンを食べていて、
誰かが恋人と旅行に行っていて、
誰かが飲み会で撮った集合写真を上げてる。

でも、見てても何も感じない。
ただただ、自分には無関係な風景が流れていくだけ。


だからと言って、何かをしたいわけでもない

部屋の片付けをしてみようか、と一瞬思った。
でもすぐ、「誰が見るわけでもないし」と思い直した。
そうやって、何かを始める前に、
「やる意味のなさ」に押し潰されることが、最近増えた。


それでも時間は、過ぎていく

気づけば14時を回っていて、
さっきからずっと同じ姿勢でスマホを見ていた。
充電ケーブルを手繰り寄せて、
いつもの場所に挿して、
また画面を眺める。

特に通知が来るわけでもないのに、
無意識でLINEとXを開いて閉じてを繰り返している。


今日はまだ終わっていない。
でも、もう“何もなかったような気持ち”になってきている。
外はたぶん、少しずつ夕方に近づいている。
でも部屋のなかは、朝のまま、何ひとつ変わっていない。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次