この場所に、意味なんてない。
あるとすれば、それは誰かの虚無に触れるためだけの意味。
ここには、希望も答えも置いていない。
誰かの人生を変える力なんて、はじめから求めていない。
ただ、静かに積もった言葉が並ぶだけの部屋。
読まれなくてもいい。届かなくても構わない。
吐き出すことでしか保てない感情があって、それを書き残している。
書いているのは、30代、独身、無職。
社会から少しだけ遅れてしまった誰か。
誰でもないけど、どこにでもいるような存在。
昔は、ちゃんと期待していた。
誰かに、社会に、未来に。
だけど、思うようにはいかない現実の中で、
少しずつ何かが剥がれ落ちて、
気がつけば「がんばること」さえ遠くに感じていた。
このブログには、前向きなことはあまり書かれていない。
人に会う気力もない日、笑顔がひとつも浮かばない夜、
頭の中を埋め尽くす言葉だけが、ここにある。
誰かを励ますような言葉ではない。
それでも、どこかにいる「もう話せない誰か」に向けて、
何かを吐き出したくなる夜がある。
この部屋は、そんな夜にだけ灯る明かりのようなもの。
もしも、ここにある言葉が
あなたの孤独に似ていたら、
それは偶然じゃないのかもしれない。
救われなくてもいい。
でも、たった一行に、少しでも気持ちが揺れたなら、
それだけで、この場所の意味は成立する。